人間開発指数というのがある。その国の、人々の生活の質や発展度合いを示す指標である、らしい
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E9%96%93%E9%96%8B%E7%99%BA%E6%8C%87%E6%95%B0
この数値は平均余命指数と教育指数、そしてGDP指数から計算される。教育指数のなかには成人識字指数 (ALI) と総就学指数 (GEI)という小項目がある。2011年の一位を見てみると、 ノルェーになっている。日本は12位。オーストラリアが二位。
これを見て「日本はまだまだトップじゃないのか」と思う人はまんまとだまされている。日本が世界で一位でないはずがない。こういうのは、「一人あたりのGDP」なんかと同じく、うそをつく数字によって作られた指標だ。
平均余命と教育、そしてGDP、この三つが一番高いのはどう考えても世界で日本が一番なはずなのに、なぜ12位なのか、わけがわからん。ノルウェーはどうかだ知らないが、オーストラリアが二位とか笑えるとしか言いようがない。あの国はテレビで頭のいい中学生が出て、8*5は45?とかやっている国だ。
そもそも、日本人は日本のことも西洋のこともよく知っている。グリム童話も猿蟹合戦も知っている。ルイ14世も織田信長も知っている。これがフランス人になると、グリムは知っているかもしれんが、日本の話なんて知るわけないし、学校ではフランス史しか教えないので、ほとんどのフランス人が世界の歴史に無知だ。
たとえば、日本とアメリカが戦争したっていうのはかろうじて知っているが、「どこで?」かは知らない。日本とロシア、中国とイギリスが戦争したとかになるとまあ知らない。そんなんで恥ずかしくないのだろうかとぼくは思うのだけど、フランス的にはフランスのことを知っていればOKなのである。日本の国粋主義者も真っ青だ。九九も怪しくて、7*5とかを30って答えちゃう。暗算できる人はまずいない。
一番びっくりしたのが、イスラム教もキリスト教も同じ神だってことを知らなかったってこと。こんなことも学校で教えないらしい。後発の宗教を信じているからアラブ人は知っているかと思うと、フランスにいるアラブ人は知らないっぽい。おいおい自分たちの宗教について何も知らないのか、と不安になる。日本の国粋主義者も真っ青である。
基本的な教養水準において、日本人にかなう国民はいない、というのは外国に住む日本人だれもが感じることではないだろーか。もちろんこれは、文化的な水準も高いってことだ。ぼくは日本で育って日本のアニメや海外のアニメ、日本の音楽や海外の音楽、日本の小説や海外の小説、日本の言論や海外の思想なんかに自然と触れて育ってこれたけれど、これがフランスにいたとすると、フランス以外のものはなんにも知らずに終わったのではないだろうか、という気がする。
よく、ちょっとした金持ち層にありがちな話として、子供が生まれたらシンガポールあたりで高度な英語教育を受けさせたい、とか考えている親がいる。しかし、それはやめたほうがいいとぼくは思う。たとえ英語教育がおそまつでも、日本に住んでいれば、日常的に触れられる情報の量と質、自分で調べて簡単に手に入る情報の量と質が圧倒的に豊かで、それは何ものにもかえがたい。一つの例だけど、日本のあの無数の漫画雑誌がまったくない国で子供時代を過ごす子供と、それがない国で過ごす子供とどっちが文化的に豊かになるだろうか。もし子供時代にジャンプが買えていなかったらと思うとぼくなんかはぞっとする。まあでも国粋主義者ではないんだけど。
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