なにがいいかって、とにかくオオカミがかっこよい。ドルイドと呼ばれるこいつらの面構えには、強靱な精神が感じ取られる。それはまさに開拓者のそれだ。こんな美しい生き物がほかにいるだろうか?
オオカミといえばシートンの描いた「ロボ」がいるけれど、あれは普通の人間よりはるかに頭がいいオオカミの話だった。頭だけでなくて、ぼくは精神においても、野生の狼は普通の人間よりはるかに強いと思う。
それはとにかく、なぜオオカミがイエローストーンに再導入されたか。詳しくはwikiに書いてある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%AA%E3%82%AB%E3%83%9F%E3%81%AE%E5%86%8D%E5%B0%8E%E5%85%A5
要するに、生態系の頂点にいたオオカミがいなくなったことで、ウルク、つまりでっかい鹿が増えすぎてしまったから、というもの。ウルクのおかげで特定の木も減るし、植生が貧しくなる。オオカミの代わりに増えたコヨーテなんかのおかげで、なんだかわかんないけどビーバーなんかも減ってしまったとのこと。
これがオオカミのおかげで回復してきている、というのが大勢の研究者の見解だそうだ。
『日本の森にオオカミの群れを放て』という本も出ているけれど、日本でも同じことをしようと言っている人がいる。
http://www.athome-academy.jp/archive/environment/0000001016_all.html
んが、アメリカでは導入までに20年かけている。詳しくは以下を参照。
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合衆国政府は、妥協案の作成・条件整備・実行について責任を負い、妥協点を探し出すのに約20年間をかけて努力を続けた。1974年にオオカミ回復チームが任命され、1982年には意見を集めるために最初の公式の回復計画(Recovery Plan)を公表した。オオカミ再導入に対する一般的な不安があったため、州政府および地方政府の判断を加えやすくするように、魚類野生生物局は計画を変更した。そのようにして、意見を集めるための2番目の回復計画が1985年に公表された。同じ年に行われたイエローストーン国立公園の訪問者へのアンケートでは、74%の人がオオカミが公園の改善に必要かもしれないと回答し、60%の人が再導入に賛成した。再導入に承認を与える前の最終段階として、実施した場合の影響の事前評価(環境アセスメント)があった。連邦議会は、環境アセスメントへの支出をする前に更に研究が必要であるとして、計画を差し止めた。
1987年に牧場主たちは、再導入提案者に経済的負担に対する補償を要求した。それに対してDefenders of Wildlife(アメリカ合衆国の自然保護団体)は、オオカミによる被害で失われる家畜の市場価格を牧場主たちに補償するために、「オオカミ補償基金」を準備した。その同じ年、最終的な回復計画が発表された。その後、研究・公的な教育・意見募集を行い、公開検討を加えるために1993年に環境影響評価書(環境アセスメントの結果報告書:Environmental Impact Statement)の草稿が発表された。この環境影響評価書には15万以上の意見が寄せられ、1994年5月に成立した。
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なんだかんだ言ってもアメリカはすごい国だ。オオカミの再導入とかほんとに効果があるのかどうかまったく証明されていないことを、20年もかけて実施しようという情熱を持った人と、それを支える組織の一貫性が20年間もあったのか・・・・
こいつらだね。
http://www.defenders.org/
スコットランドでもオオカミを導入しようという話があるらしい。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/6310211.stm
まあとにかく、世界中でオオカミがよみがえっていくのは喜ばしいことだ。
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