買ったチケットにはフランス語で「席自由」と書いてある。するとびっくり、劇場の前には人だかりができていた。その人気の原因はすぐわかった。この人だ。
髪の短いJean-François Zygelという人、この人がこの番組、「La boîte à musique」を作って司会しているんだけど、この人が第一楽章の演奏の後出てきて、曲の紹介をしてくれた。もうしゃべりがうまいのなんのって。ぼくはこの番組もこの人のことも知らなかったけれど、あまりにしゃべりがうまいから調べてみたら有名人だったってわけ。
フランス語でしゃべるときには、すごく強弱をつけてしゃべるので、しゃべるがうまい人はすごくうまくなる。これは哲学の講演会みたいなので、日本人とフランス人が一緒に発表したときにすごく思った。日本語で育った人だとかなりしゃべりがうまい人でも、強弱はない。フランス語で話していても日本語みたく抑揚なくしゃべる。これは寝れる。ところが、不思議なことに、このぼくでさえフランス人がフランス語で話している授業を受けていて寝たことがない。実際、下のラカンの授業とか受けてて寝れるって人いるだろーか? ちなみに、日本人留学生は最前線で録音しながら受けるのが伝統。
この動画の7分くらいに起こった出来事、これ、どこかでその留学生だった人の話を読んだことがあったけれど、まさか録画があったとは・・・Youtubeすごいな。
まあそれはともかく、子供のための授業だったけれど、ぼくにとってもすごくためになった。六番はいわゆる標題音楽ってやつで、六楽章それぞれに題がついている。んで、それぞれの楽章にいろんな情景を思い起こさせる曲があるってことを説明してくれた。一楽章ごとに、それぞれダンスや、嵐、鳥の鳴き声など。いろいろ異なるモチーフがある
たとえば、第3楽章「農夫達の楽しい集い」で入るオーボエの旋律は酔っ払いの踊りで、そこに入ってくるファゴットはそれを「ハハハ」「ハハハハハ」と馬鹿にしている、みたいなこと。動画では一分目くらいのところ。僕の前に座っていた子供は、そのあとの演奏でこのファゴットの音を聞くたびにクスクス笑っていた。ちなみに第六の解説は下を参照。
たとえば、第3楽章「農夫達の楽しい集い」で入るオーボエの旋律は酔っ払いの踊りで、そこに入ってくるファゴットはそれを「ハハハ」「ハハハハハ」と馬鹿にしている、みたいなこと。動画では一分目くらいのところ。僕の前に座っていた子供は、そのあとの演奏でこのファゴットの音を聞くたびにクスクス笑っていた。ちなみに第六の解説は下を参照。
さて、Zygelさんはこういう子供ための授業を一つの仕事にしていて、CDも出している。本業は音楽家らしいけど。
この人の授業を受けていて、西洋のクラシック音楽がこの時期に、自然や人間の生活から音楽を取り出すようになった、ということに気がついた。西洋音楽ははじめは聖なるテキストに抑揚をつけて歌うだけだったのが、数世紀で「田園」まで発展したってわけだ。これはすごいことだ。
ベートヴェンとかの時代だとまだモチーフがわかりやすいけれど、これがショスタコヴィッチくらいまでくるともうわかんなくなる。現代になると、完全に意味不明だ。まあ例外もあるけど・・・・。下のはマシンガンがモチーフですね
音楽というのはその着想の源泉の変化もさることながら、なにを音楽として楽しむか、ということが歴史とともにかわってきた。ということを前から考えていたんだけど、まだいろいろ勉強するべきことがあるってわかっただけでも収穫だった。子供ための授業、あなどれません。
ちなみに「人類の至宝」とまでいわれるワルターの演奏はいろいろな録音を聞き比べてみた後に聞くと良さがわかる・・・かも
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