2012年3月9日金曜日

楽しむことと生き延びること

人生ですることってのは、1.楽しむこと、それと2.生き延びること、この二つしかない。この二つのうち、優先順位が高いのは「楽しむこと」であり、「生き延びること」ってのが必要なのはなぜかというと、それは人は人生を楽しむために生きるからだ。

人が学ばないといけないことも、上の二つしかない。「楽しむこと」と「生き延びること」。人が教えるべきことも、「楽しむこと」と「生き延びること」の二つしかない。楽しみを見いだし、生きる喜びを見つけることと、その喜びのために生きる方法を身につけること。自殺する若者が増えるのは、このどちらも自分で学ばなかったか、教わらなかったからだ。これは個人の問題のように思われがちだけど、何の楽しみも希望もない社会では自殺者が増える。


これはすごく単純で明快なことなんだけれど、こうして言葉にして明快にする、ということをやる人はあまりいない。だから問題が見えない。まあそういうことはよくあるが、これはまあ、基本中の基本で、大事なことのなかでも一番大事だ。


たとえば、会社で死ぬほど働く。それはお金を稼いで生き延びること、には役に立つが、そのせいで人生に疲れて、楽しむこと、をしなくなったらどうなるか。生きる喜びがなくなるということ、それは生きる力がなくなるということで、死んでしまう、ということだ。目標1と2の両方が生きるためにはつねに必要だ。

大学でたとえば何の役にも立たない心理学を勉強する。これはつまんないので1にも関係ないし、ましてや2にも関係ない。するとこれはまったくの無駄、ということになる。そういうのはもう詐欺と同じで、時間とお金を無駄に他人に取られているだけだ。自分にとって興味のもてないことほど意味のないことはない。

すべての教育は、何かに関心をもたせ、それをおもしろい、と思わせるか、あるいは、生きるのに役立つ技能や知識を教える、ためにある。ところがいまの教育はそのどちらの役に立っていないものが多い。繰り返すが、これは詐欺だ。人生の若い段階で、それに気づかず、何も学ばず、何にも興味持てないと、自殺を選んでしまう、というのはよくあることだ。

つまり、これは教育の問題でもあるわけだ。

これだけいろいろ面白いものがある日本で自殺が増えているというのは、よほど社会に希望がないか、教育が失敗しているか、そのどちらかだ。ぼくはその両方だと思う。

■良い人生見えぬ・友人できない…死に急ぐ若者
(読売新聞 - 03月09日 14:36)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120309-OYT1T00737.htm?from=rss&ref=mixi

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