2012年2月13日月曜日

新しい読書 Kindleとオーディオブック


Kindleを個人輸入でアメリカから買ってみた。フランスでもKindleは売っているのだけど、ぼくは一世代前のキーボード付きのがほしかったので、わざわざDHLに関税を払ってアメリカから輸入したのだ。

が、キーボードはとっても小さいもので、これでものを書くってことはとてもじゃないができない。が、読書デバイスとしてはまあよくできている。と言っても、ただで手に入るKindleBookしか使っていないので、お金を払って買ったものとは違うかもしれない。元PDFなので註がページの最中にぶっ込まれていたりとか、そういう些細な点を除けば、とても便利。

日本語の本も、Version3から読める。具体的には、自分でアナログの本を電子ファイルにする(自炊)か、そういう業者に頼むか、すでにネットにあるPDFの本をKindleに変換すればよい。青空文庫の本は、青空キンドル、というサイトで変換できる。これで漱石も白石も折口も読み放題。古典なら、英語の本や英語に訳された本がネットに無限にある。

思うに、このデバイスは同時に複数の本を読むタイプの人に向いている。文庫本でも三冊以上同時に読んでいると、机の下に落ちたりしてだんだん本を開くのが面倒になってくる。これが、Kindleならいつでもこのあいだ読み終えたところから再開できる。

ほかには、英語の本の場合、音声で読み上げてくれる機能がある。でもこれは、いかにも不自然で機械的な朗読になるので、それが気になってとても使えない。


うーん、と考えていたら、ネットで朗読ファイルを探せばよい、ということに気がついた。調べたらあるある。カントの純粋理性批判とかむちゃくちゃなものまで全部英語なら朗読ファイルがある。正直自分で読むのは面倒でも、人に読んでもうのは楽だ。集中力が違ってくる。

たとえば、「その人生が彼の訳した物語より波瀾万丈だ」、とボルヘスに言われたバートン版の千夜一夜とかなら、
http://p.tl/7nhl
このサイトから音声ファイルを落としてきて、
http://www.sacred-texts.com/neu/burt1k1/
ここで原文をチェックしながら聞く。
原文はMobipocket CreatorでKINDLEファイルに変換してもよい。
http://fionfion.seesaa.net/article/153756001.html

KINDLEはマルチタスクができないので、音声はiPODなんかに入れておいて、テキストをKINDLEで読む、というのがよい。一日五分聞くだけでも、きっと十年あれば全巻読破できる。これってきっとすごいことだ。