2010年10月11日月曜日

日本インディーシーン2000年代その1

あの国に面白いシーンがあると聞けば千里を旅して聞きに行くDJなんぽるとける。んが、日本にいたころは日本のインディーシーンが面白いなんて知らなかった。いまになっていろんな音楽を「好き嫌い」ではなく「面白い面白くない」で聞けるようになって、ようやく日本のインディーシーンを発見した。というわけで、今回は2000年代のバンドやユニットから四つほど紹介したい。


1.エイプリルズ

1999年、筑波大学でひとつのバンドが、ある音楽サークルのなかで誕生した。当時はアカペラが超人気だったこの大学にできたのは、エレポップとギターポップを混ぜ合わせたようなバンド、エイプリルズ。当時は演奏が下手だったので、はじめて東京でライブをしたときには、それをごまかすために映像を一緒に上映したらしい。で、これが受けて、今では日本よりでかは海外での評価が高い。確かにビデオはすごいセンスがある。つうかこれは、2000年代日本で一番のバンドじゃないだろうか。

これはなんか変なテーマ性のある美しいビデオだ。次のもすごいポップ。こんだけポップでインディーってのはどういうことなんだろう。


この疾走感と宇宙感、どことなーくAnimal Collectiveの最新作に似ている。、まあ大分ちがうんだけど。これ、欧米で本格的に売り出したら大騒ぎになると思う。



2.イルリメ

これは偏見かもしれないけれど、日本のヒップホップシーンというのは、いまだに第一世代、アメリカで言う「オールドスクール」段階にある気がしていた。つまり、まだヒップホップといえばラップが中心で、サンプリングを使ったダンサンブルな音楽(これが第二世代ヒップホップ)っていう感じじゃあない。と思っていたら、こーいうのがいた。


これは名曲。超名曲。バックのギターが叙情的でなんかよい。歌い方も今までの日本のラップとは少し違う気がするし、音楽性もちょっと違う。この人のまだそんなに聞いていないけど、これは日本を代表するヒップホッパーかもしれない。日本にいたなら今すぐにでもお店にアルバム買いに行きたい。


ぼくは日本のヒップホップ好きになったこと一度もないんだけどな。次の曲なんかはただ美しい。ビデモもきれいだ。これは、プロのクリップアーティストとかじゃなくて、映像系のアーティストが撮っているんだと思う。とにかくこの人はアーティスティックなセンスがすごい。



3.にせんねんもんだい

ジャパノイズっつうのがある。メルツバウとかMASONNAとかは世界的な影響をノイズミュージックの世界に与えた。こういうムーブメントがなぜ日本で生まれたのかはまったく分からないけれど、7、80年代のインディーバンドのなかには過剰にノイズに走るのがあったし、ノイズの伝統ってのは日本に確かにあるようだ。いまは主に役者やってるケラリーノサンドロビッチなんかも有頂天っていうノイジーなバンドやってた。で、その流れの中にあるのがこのバンド、にせんねんもんだい。


といっても、このバンドはただのノイズじゃあなくって、バンド形態の演奏が出すノイズってのをやってる。いわば音楽性のあるノイズ。こういうのは真性のノイズファンからすれば邪道なのかもしれんが、サーストン・ムーアのギターこそが最も美しいノイズサウンドであると信じるぼくにとってこいつらは神だ。というか、じつはこういう音楽性のあるノイズってのが出てきたのは、案外最近のことじゃあないだろうか。メルツバウのライブには行こうとは思わないけど、こいつらのならぜ行きたい。



4.YOUR SONG IS GOOD


このバンドはインストバンドらしいのだけれど、これは歌がある。リズムといい歌い方といいもう最高。これはうーん、幸せな誰かを思い出すんだけど誰だろう。スカパラかな。ちなみにこいつらはユアソンと略される。趣味がいいバンドだ。



今回はこれで終わり。次回をお楽しみに。